2024年度 理事長所信

【基本理念】

1949年、戦後間もない荒廃の中で、「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志を掲げ、国内経済の発展と国際経済との緊密な連携の必要性を認識し、その使命感と責任感に駆られた青年有志によって、日本青年会議所の運動が幕を開けました。この理念は全国に広がり、数多くの地域に青年会議所が設立されました。1977年、入間市でも高い志を持った74名の青年らによって入間青年会議所は設立され、47年間にわたり英知と勇気と情熱を持って「夢あふれるまち」の実現のために、運動を続けてまいりました。

2020年の初めから、全世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大が社会に大きな混乱をもたらしました。さらに、国際社会の均衡に綻びが生じ、多くの問題が浮き彫りになりました。日本においては、人口減少や超高齢化社会、環境問題などへの対応を迫られるなか、経済の低迷も喫緊の課題となっています。これらの全国的課題は、一自治体である入間市にも大きな影を落としています。しかし、歴史を振り返ると私たちは、戦後の復興、バブル崩壊後の経済苦境、東日本大震災など、多くの危機を乗り越えてきました。それは自分たちが住み、暮らす日本や地域への想いが新たな政策の推進や技術の革新へと人々を突き動かしたからに他なりません。

想いは、原動力です。心からの想いがあるからこそ、人は何かのために行動を起こすことができます。心から想うには、まずは相手のことを知り、興味関心を持って接していかなければなりません。相手が今置かれている状況、背景を知ることで、同じ視点に立って、考えや行動に共感をすることができます。そうすることで、本当に相手のためになることを、自分の経験や知識、つながりを活かして明確に考えることができ、自分自身の行動指針になります。そしてお互いが相手を想い合う関係性を築き、行動していくことで、新たなもの、ことを生み出していけるのです。

私たちの住む入間市は豊かな自然環境が広がり、地域の文化や歴史に触れることができます。さらに、交通利便性が高く、働きながら都会と自然のどちらの恩恵も享受できる暮らしを送ることが出来ます。しかし、都市部に人口が流出しやすい環境でもあり、地域離れや地域活動への参加意欲の低下が見られ、地域の連帯感の欠如が問題となっています。まちへの愛着が薄れると、その地域の文化や歴史に対する関心や、今までまちの発展を支えてきたコミュニティへの参加意欲が低下し、結果、このまちに住む理由すら見失いかねません。市民の関心を引き付けるには、想いの対象となる地域の魅力や誇りが不可欠です。そのためには、行政や地域団体、市民との協働により、様々な視点や価値観を持ち、今ある魅力や誇りを見直し、発信することが重要です。発信されたものが共感を得ていくことで、事業に興味を持ち携わる市民が必ず増えていきます。そこにはやって良かった、この場にいて良かったといえるような達成感が沸き起こり、一緒に目的を達成したという仲間意識から新たな想いが生まれます。一人ひとりの想いが集まることでまちにコミュニティが生まれ、それらが合わさって大きな行動を巻き起こすことで自分たちのまちを自分たちでつくっているという気持ちが芽生え、まちに対し自発的な行動を起こすひとが増え、想い溢れるまちになると確信しています。

この想いはひとの成長とともに強くなります。様々なことを自分事として捉え、理解、共感し、積極的に行動できるひとが増えなければなりません。自分の考えを相手に伝えながら、相手の背後にある立場や環境、価値観を理解し行動する。そのためには、コミュニケーション手法の理解と相手を受容するための知識の獲得は必要不可欠です。これは単なるスキルアップではなく、個人の内面的な成長や視野の拡大をもたらします。自分の行動一つ一つが、自分自身や周りにどのような影響を与えるのかを認知することができ、その結果として様々なことを自分事として捉えられるようになります。さらに、それぞれが持つ独自の経験や知識を共有することで、お互いに刺激を与え合い、個人の資質向上へとつながります。そのようなひとが集まることで生み出された運動は必ず市民の共感を呼び、ともに活動したいと思う新たな仲間を見つけ出すきっかけとなります。

これまで築き上げてきた行政や各種団体、企業、先輩諸氏とのつながりは、今日の私たちの基盤となっています。これらのつながりを強く認識し、まちへの想いをより強く持つことで、自ら積極的に行動し、市民を巻き込みながら、わたしたちのまち入間市の未来のために、組織一丸となって運動に邁進してまいります。

スローガン

「共想」

~ 想いが原動力となり、ひととひとがつながるまちの創造 ~

【基本方針】

<想い溢れる仲間づくり・ひとづくり>

私たち一般社団法人入間青年会議所が持続的に発展し、まちに必要とされ続けていくためには、志を同じくする仲間を増やすとともに、その一人ひとりが能力や資質を磨き上げ、リーダーとして育てるひとづくりが不可欠です。青年会議所の運動や取り組みを自分事として深く捉え、課題に取り組むことができるメンバーを増やしてまいります。具体的なアプローチ方法やスキル、経験を身に付けるだけでなく、内面的な成長や広い視野も必要です。自分自身の価値観や感情、モチベーションについて把握し、それをお互いに理解、共感できるコミュニケーションスキルを習得してまいります。その上で、個々のメンバーが互いの経験や知識を共有し、支えながら行動する環境を整えてまいります。これにより、全メンバーが一般社団法人入間青年会議所の運動に自信と誇りを持つことができ、ひとの心を引きつけ、新たな仲間を増やすことができるよう運動展開してまいります。

また、公益社団法人日本青年会議所、関東地区協議会、埼玉ブロック協議会、全国各地で開催される事業に積極的に参加します。新たな仲間との出会いやそこで得た学び、経験をメンバー間で共有することで組織の発展につなげてまいります。

<想い溢れるまちづくり>

ひととまちをつなぐためには、私たちが持つまちへの想いをより多くの人に伝播することが必要です。そのために、今ある魅力や誇りを見直し、何が市民にとっての関心につながるのかを行政や地域団体、市民と協働し、多角的な視点や考えを持って調査、研究し発信してまいります。発信された魅力や誇りが共感を得ることによって、達成感や仲間意識が生まれ、市民同士の絆を強化することができます。まちをより良くしたいという気持ちと、私たちがこれまで培った経験や知識、つながりを活かし、市民と力を合わせることで、「自分たちのまちは自分たちでつくり上げる」という意識を根付かせ、自発的に行動する市民を増やしてまいります。

<想い溢れる組織作り>

 平均在籍年数4.5年という中で、青年会議所が何のために存在しているのか、また自分たちが何のために運動をしているのかを説明するには短い期間となっています。どの入会年度でもどの役職でも青年会議所の理念を学び、本質的な価値に共感し、共有する場が必要です。理念共感によって柔軟な思考、多くのひとを巻き込む求心力を備え、運動を起こすリーダーとしての資質を磨くことができます。一般社団法人入間青年会議所の持続的な発展のためにもメンバーが青年会議所の理念を理解する機会を提供してまいります。

【運営方針】

 本年度は副理事長を2名とし、理事長を補佐するとともに円滑な委員会の運営と指導を 行います。また、組織連携推進会議を運営し、万燈まつりの各種会議、わんぱく相撲に関する会議体へ出向し事業を行います。そして賀詞交歓会及び卒業式を実施します。専務理事は、組織全般を補佐するとともにスタッフ会議及び理事会議の運営を行います。また、アカデミー会議の議長を兼任し、青年会議所メンバーとしての活動意義などの理念共有を全メンバーに行います。さらに、出向全般に関する連絡調整をします。災害時における各団体やメンバー間との連絡調整をします。直前理事長は、運営その他について必要な助言を行います。

<仲間づくり共想委員会>

 一般社団法人入間青年会議所で行われる事業を自分事と捉え行動できるメンバーを増やし、新たな仲間を増やすための事業や仕組みづくりを行い、在籍メンバー40名を目指します。自分事として行動するために、自分の考えや相手のニーズを理解する機会を提供し、それを基にどう相手に寄り添い行動すると共感を得られるのかを理解し、行動できる人財を育成する事業を実施します。

<まちづくり共想委員会>

 各種団体と協働し、市民に対してまちの魅力や誇りを発信する事業展開をします。その中で市民からの共感を集め、自発的に携わる市民を増やし、コミュニティの形成を促します。

<アカデミー会議>

 全メンバーが、青年会議所運動とはなにかを理解し、運動発信できる人財になるための学びの機会を提供します。また新入会員オリエンテーションを実施します。

<組織連携推進会議>

わんぱく相撲、万燈まつりに関する事業を実施します。また賀詞交歓会、卒業式を実施し、行政やOB、各種団体とのつながりを強固にし、青年会議所運動を円滑にします。

<事務局>

一般社団法人として定款に基づく円滑な組織運営を実施します。また、総会の運営をします。さらに、事業の対外発信に関するメディア運用を行います。