基本理念

 1949年、戦後間もない荒廃の中で、「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志を掲げ、国内経済の発展と国際経済との緊密な連携の必要性を認識し、その使命感と責任感に駆られた青年有志によって、日本青年会議所の運動が幕を開けました。この理念は全国に広がり、数多くの地域に青年会議所が設立されました。1977年、入間市でも高い志を持った74名の青年らによって入間青年会議所は設立され、47年間にわたり英知と勇気と情熱を持って「夢あふれるまち」の実現のために、運動を続けてまいりました。

 2020年の初めから、全世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大が社会に大きな混乱をもたらしました。さらに、国際社会の均衡に綻びが生じ、多くの問題が浮き彫りになりました。日本においては、人口減少や超高齢化社会、環境問題などへの対応を迫られるなか、経済の低迷も喫緊の課題となっています。これらの全国的課題は、一自治体である入間市にも大きな影を落としています。しかし、歴史を振り返ると私たちは、戦後の復興、バブル崩壊後の経済苦境、東日本大震災など、多くの危機を乗り越えてきました。それは自分たちが住み、暮らす日本や地域への想いが新たな政策の推進や技術の革新へと人々を突き動かしたからに他なりません。

 想いは、原動力です。心からの想いがあるからこそ、人は何かのために行動を起こすことができます。心から想うには、まずは相手のことを知り、興味関心を持って接していかなければなりません。相手が今置かれている状況、背景を知ることで、同じ視点に立って、考えや行動に共感をすることができます。そうすることで、本当に相手のためになることを、自分の経験や知識、つながりを活かして明確に考えることができ、自分自身の行動指針になります。そしてお互いが相手を想い合う関係性を築き、行動していくことで、新たなもの、ことを生み出していけるのです。

 私たちの住む入間市は豊かな自然環境が広がり、地域の文化や歴史に触れることができます。さらに、交通利便性が高く、働きながら都会と自然のどちらの恩恵も享受できる暮らしを送ることが出来ます。しかし、都市部に人口が流出しやすい環境でもあり、地域離れや地域活動への参加意欲の低下が見られ、地域の連帯感の欠如が問題となっています。まちへの愛着が薄れると、その地域の文化や歴史に対す関心や、今までまちの発展を支えてきたコミュニティへの参加意欲が低下し、結果、このまちに住む理由すら見失いかねません。市民の関心を引き付けるには、想いの対象となる地域の魅力や誇りが不可欠です。そのためには、行政や地域団体、市民との協働により、様々な視点や価値観を持ち、今ある魅力や誇りを見直し、発信することが重要です。発信されたものが共感を得ていくことで、事業に興味を持ち携わる市民が必ず増えていきます。そこにはやって良かった、この場にいて良かったといえるような達成感が沸き起こり、一緒に目的を達成したという仲間意識から新たな想いが生まれます。一人ひとりの想いが集まることでまちにコミュニティが生まれ、それらが合わさって大きな行動を巻き起こすことで自分たちのまちを自分たちでつくっているという気持ちが芽生え、まちに対し自発的な行動を起こすひとが増え、想い溢れるまちになると確信しています。

 この想いはひとの成長とともに強くなります。様々なことを自分事として捉え、理解、共感し、積極的に行動できるひとが増えなければなりません。自分の考えを相手に伝えながら、相手の背後にある立場や環境、価値観を理解し行動する。そのためには、コミュニケーション手法の理解と相手を受容するための知識の獲得は必要不可欠です。これは単なるスキルアップではなく、個人の内面的な成長や視野の拡大をもたらします。自分の行動一つ一つが、自分自身や周りにどのような影響を与えるのかを認知することができ、その結果として様々なことを自分事として捉えられるようになります。さらに、それぞれが持つ独自の経験や知識を共有することで、お互いに刺激を与え合い、個人の資質向上へとつながります。そのようなひとが集まることで生み出された運動は必ず市民の共感を呼び、ともに活動したいと思う新たな仲間を見つけ出すきっかけとなります。

 これまで築き上げてきた行政や各種団体、企業、先輩諸氏とのつながりは、今日の私たちの基盤となっています。これらのつながりを強く認識し、まちへの想いをより強く持つことで、自ら積極的に行動し、市民を巻き込みながら、わたしたちのまち入間市の未来のために、組織一丸となって運動に邁進してまいります。

 

スローガン

「共想」

~ 想いが原動力となり、ひととひとがつながるまちの創造 ~